人生はテキトーにやりましょう!
初心の剣術稽古は自身の中心を意識すること
以前、剣術では(おそらく、剣術以外の武術でも)初心のうちは、とにかく自分自身の中心を意識することを教えられる、とお話しました。これができないと、自分自身に隙ができて、すぐに斬られてしまうからです。
自分自身の中心を意識する具体的な稽古法は、ひたすら、相手の眉間に、自分自身の眉間(額)を向けて、相手の中心から自分自身の中心軸をずれないようにする、ということを延々と繰り返しています。
これは、剣術の基本中の基本なのですが、もうひとつ、大事なことがあります。それは、相手がこちらの中心を狙って攻め込んできたときに、自分の中心を守ろうとして、力任せに相手の刀を払おうとしないこと。
力を入れることで、一見、強く相手を抑え込めると思うでしょ?でも、違うんです。こちらが力を入れればいれるほど、相手の剣を払えない、または、こちらの剣が払われてしまう、という現象が起きるのです。
なので、まずは自分自身の中心をしっかりと身に着ける。自分の中心がわかるようになると、力を入れなくても剣をさばける身体感覚ができてきます。その身体感覚で相手の剣を受け止めて、(素人目に見た表現で言うと)いつのまにか、相手の剣を自分の中心からずらす、ということを練習します。面白いことに、この動作は、相手の力が強ければ強いほど、効力を発揮します。
人生も自分の中心(=ありかた)から相手との関係性をずらしてあげる
これを稽古しながら、はたと、思ったのです。「ああ、そうだ、これは、やっぱり、生き方も一緒だな」と。
私たちは、周囲でなにか、現象が起きた時、つい、力を入れて、事に向き合おうとします。でも、こちらが力を入れていると、外側で起きた事中心に物事が動いてしまいます。都合のいいように、動かされてしまうのですね。
なので、まずは、その出来事を一旦受け止めて置いて、ちょっと、自分との関係性をずらしてあげればよいのです。嫌なことが起きたなら、ジタバタしないで、まずは、それを受け入れる。受け入れた後に冷静になって、その後の対処を考えるのですね。
基本、現象を放っておけるものは、放っておくと、そのうち状況が変わりますし、対処しなければならないときは、自然に行動が起きてきます。
これは、「なにかをしたい」っていう願望とかも一緒ですね。真正面に望むよりも(力むよりも)、ちょっと、正面からずらすほうが、ちょうど良いのです。
脱力とテキトーでうまくいく
これが、力を入れていると、やみくもに自分を守ろうとして、剣を振り回す状態。つまり、その時点で、現象に飲み込まれてしまいます。自分では必死に対処しているつもりが、すべて裏目に出る、ということになりますね。
よく言われていることですが、「力を入れる」よりは、やはり、脱力のほうがうまくいく場合が多いのかもしれません。つまり、このブログで言う、テキトーにやりましょうってことですね(?)。
日本人は、テキトーっていう言葉に抵抗を感じる人が多いですが、テキトーっていうのは、本当は、誰にでもできる、超簡単な人生開運術、処世術なのではないか、と、個人的には思っております。
ただ、あまりに、テキトーにやっていると、私のように、趣味の先生には怒られっぱなし、という現象も起きてきます。それでも、楽しいと思えるのですから、人生、表面的なことにこだわらなくても、よいのですよ。
それにしても、剣術からテキトーを学ぶなんて言ったら、先生に怒られるだろうなあ・・・(汗)