引きこもりから仕事に就いた体験談

仕事を見つけるのに始めから「好き」にこだわる必要はない

私はヒーラー開業に失敗して引きこもり状態を2年間続けていたことがあります。今回は、その引きこもりから正社員になった過程を振り返り、仕事を見つける時の心構えなんかを書いてみました(2018年11月23日追記)。

 

仕事というのは人生において、どうしても、向き合わなければならないものですね。「自分探し」をしていたころ、私も「自分がすべきことは何なのか?」ということばっかり、考えていました。

 

自分が情熱的に取り組めるもの、好きなことであること、誰かの役にたつもの、楽しめて続けられるもの・・・。私にとって、最も大事だったことは、人と極力関わる必要のない、一人でできることでした。

 

ところで、今、世の中の風潮として、仕事は、「好きなことであること」が良いとされています。もちろん、やっている仕事が好きであることは、長く続けていく上で大切なことではあります。しかし、だからといって、好きなことにこだわる必要もないのでは?というのが、私の再就職体験から思っていることです。

 

私は、現在、大型車を運転する職業運転手ですが、初めから、「これが好き」と言って選んだ仕事ではありません。たまたま、アルバイトで入った会社で、腰掛け程度で1年ぐらいでおさらばしようと思っていたら、なんとなく、居心地が良かったのです。アルバイトを合わせると、5、6回は転職していますが、その中では、一番、働く人たちがやさしかった。

 

また、大型車を運転する社員がかっこよく見えたこと、自分も乗り物は好きな方で、一度、大きい車を運転してみたかったこと。上司に運転手として正社員になるよう勧誘されたこと。そして、何より職場が近かったこと。

 

以上のようなことが決め手となって、大型免許を取得。アルバイトからぴったり1年後に正社員になってしまいました。正社員になってから4年ほど経って振り返ってみると、初めの1年間は、もう、無我夢中で楽しかったです。

 

「仕事」っていうのは飽きるときがある

今まで引きこもり状態だったので、やることなすこと、すべて新鮮で、仕事上の苦労も苦労と感じませんでした。で、2年目は、その新鮮さが通り過ぎ、仕事上の不満も目についてくる頃。仕事のミスも目立つようになります。飽きっぽい性格の私は早くも、転職を考えていました。

 

そんな2年目を、上司のなだめすかしや同僚の励ましなんかをもらって、通り過ぎ、3年目はというと、給料や上司に不満を持ち始め、「ここから、いつか、脱してやる」と密かに考えていました。仕事が楽しい、なんて、すっかり、影を潜めていました。

 

そして、4年目。なぜだか、いろいろな人に「いつも、ありがとうございます」って言われることが多くなっていました。「とりあえず、この仕事で喜んでくれる人がいるなら、まあ、もうちょっと、いてもいいのかな・・・」って思うようになりました。

 

楽しいと思える時もあるし、「やってられないなあ」って思うこともあるのですが、まずは、自分の運転が、人の役にたっている実感を持てたことが今の仕事を続けている理由だと思っています。

 

ちなみに、条件であった「人と極力関わらない仕事であること」というのは、運転中は一人でいられることと、デスクワークがないことで達成されています。でも、お客様に直接、「ありがとう」と言われると、人と関わるのも悪くないなあ、って近頃、思います。

 

で、「今やっている仕事好き?」って聞かれると、好きな時もあるし、嫌になる時もありますって正直に答えています。でも、私、この微妙な感じで良いと思うんですよね。別に仕事が大好きでなくても。自分の仕事で喜んでくれる人、それも、会社の人じゃなくて、お客様が喜んでくれていると実感できたら、嬉しい自分がいるので、なんだかんだ言いながら、辞めないで来ています。

たまたま就いた職でも続けていくと変われるものがある

もちろん、これから先、わかりませんけれども、仕事が大好きじゃなくても、続けていくことで、変わってくる部分も多くなりました。実際、お客様が喜んでくれると、「じゃあ、ここを、もうちょっと、研究してみようか」となりますしね。

 

なので、人によっては、自分の好きなものにこだわるよりも、たまたま就いた仕事で自身が変わっていくことはあるかと思います。ただ、だからといって、「石の上にも三年」を信奉はしていません。やっぱり、人それぞれ、気質がありますから。どうしても向いていないと思ったら、すぐに、辞めるのも、ありです。

 

要するに、人によって、みんな違う流れがあるから、「好きなことでなければならない」というのは、絶対的な要素ではないのです。しかし、その仕事に就いたということは、実は、あなたにその要素があるということ。

 

そこに、あとで、「好きな要素」が隠れていたことに気づくことはあるかもしれません。私の場合は、(これも後に気づいたことですが)車の運転は好きで、家族とかの送り迎えで、運転はたまに、褒められていたことがあったのです。決して上手ではないのですが、同乗者が酔わないような、丁寧な運転は心がけていたので。

 

まとめになりますが、仕事を見つける時は、好きなことがないなら、無理に見つける必要はありません。偶然でも就いた仕事に、続けていくことで見えてくる、あなたの好きが隠されているかもしれません。

 

表面的な心変わりを超えていくと仕事の重要度が薄れていく

 

そして、もうひとつ、人間の心ってやっぱり当てになりません。始めは好き全開で無我夢中でできたのに、そのうち、いろんなことが重なって、冷めちゃったり、また、情熱的になったり、コロコロ変わるもの。

 

表面的な心の変わりようを超えていくと、好きとか、嫌いでのみ考えてきた仕事に対する考え方が変わるかもしれません。仕事に付随する「自分探し」も重要度が薄れて、ようやっと、その終焉を迎えるでしょう。

 

まあ、私は、再三言っていますけれど、仕事にはあまり、強い思い入れはありません。毎日、淡々とできて、なんだかわからないけれど、「ありがとう」って言ってくれる人がいるので、辞めなくてもいいか、っていう程度で続けています。

 

淡々と続けられることって、けっこう、大事なんですよ。なぜなら、休日が待ち遠しいっていう気持ちが薄れてきますから。「ああ、明日も仕事があるから、とりあえず、行ってくるか・・・」そんな程度で、力まずに、ゆるく仕事に向き合えます。

 

案外、そっちのほうが、転職とか、余計なエネルギーを使わずに、安くても(!)長期で収入源を確保できるかなあって、思います。

 

2018年11月23日追記

 

この記事は無職、引きこもり状態から「どうしてもなんか、仕事したい!」と這いがった体験談です。今、思うことは、お金面にどうしてもコンプレックスがあって「とにかく早く、自分で収入を確保したい」という気持ちが強いのなら、就職するほうが手っ取り早いです。その際の仕事の向き合い方を綴ってみました。

 

もし、「時間かかってもいいから本当に好きなことがやりたいって場合には、自身の本音にとことん向き合ったほうがいいです。

 

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