バスに学ぶ「その状況とあなたとの関係」
バスは世の中の縮図?
何度かお話させていただいておりますが、私は、現在、地元で路線バスの運転士をしています。
日々、乗務をする度に思っているのが「バスって、ほんとうに、世の中の縮図をモロに感じる仕事だなあ」っていうことです。
降りる時に気持ちよく挨拶をしてくださる方もいらっしゃるし、料金箱に、お金を投げつけるようにして出ていく方、運賃をごまかそうと苦心される方(笑)、いろんな方に毎日、お会いすることができます。
運転手によっては、こういった、いろんなお客様との出会いを経験するうちに、感受性が強くなり、人間不信に陥ったりして、心身に不調を来す方もけっこういます。
つい、先日も「接客が嫌になった」と言って、仲の良かった同僚が一人、辞めていきました。私自身、スピリチュアルとかにはまっていたこともあり、感受性は強い方だと思っています。
気を遣うべきところが多い仕事ではあるので、時に、ネガティブな感情や思考が湧いてくることも、もちろん、あります。
その状況とあなたとは無関係
しかし、思うのです。
「それが、人間というものであり、とりあえず、それはそのままでよいのだ。自分が取るべき言動をとれば、それでよい、自分は自分なんだ」と…。
な〜んつって、これは、優等生的回答ですね!
なんでも、かんでも、自分と関連づけなきゃ、いいんですよ、こういうのって。要するにですね、放っておけるものは、放っておけばいいんです。
そりゃあ、私の運転が下手だったかもしれない。ちょっと、愛想が悪かったかもしれない。「あそこの信号機で引っ掛からなかったら、駅に時間通りに着いたかもしれない、だから、私は怒ってるんだ」って顔をしているお客様がいるかもしれない。
でも、ですよ、そんなの知らんがな。その状況と本来のあなたとはまったく関係ないのです。
私はそのように、思いながら、お仕事してます。
すると、不思議なことに(いやいや、全然、不思議じゃないですよ!)、す〜っと、なにごともなかったかのように、いつのまにか、乗務が終わってしまいます。
まあ、そんなわけはありませんが、トラブルのほうが避けてってくれる感じ。いや、例えあっても、なんとかなるものです。先の辞めた同僚には、何度か、このお話をそれとなく、伝えてみたんですけれど、あまり、納得できなかったみたいです。
まあ、彼には、別のやるべきことがあるってだけなのでしょうけれど。
幼き頃の夢と自身の本質
話が、ずいぶん、飛ぶんですけれど、私、小学生、中学生、高校生までは、電車の運転士になりたかったんです。よく、小さい頃の夢って、その人の本質が現れてるっていうじゃないですか。
「ほんとうに、そうかなあ?」って思ってたんだけど、乗り物を運転するっていうところは今の仕事と一緒。電車は車掌さんが乗ってくれるけど、バスは、一人で運転と車掌業務をやらなくちゃいけない。
ここまで、考えて、
「もしかしたら、自分は、なんでもかんでも、一人で完結、仕事を誰にも邪魔されたくない、指図されたくない」っていうわがまま気質が炸裂してるんだなって納得しちゃいました(もちろん、すべての運転手さんに当てはまるわけではありませんよ、念のため!)。
乗り物を操作するの、昔から好きでしたもん。フォークリフト免許なんかも、バイト中に、面白がって、自分で取ってきましたから。なので、一人で操作できるバスの運転に、必然的に導かれたのでしょうかね〜?。(まあ、偶然かもしれませんけれども)。
自分がバスの運転手だって言うと、けっこう珍しがられて、「大変でしょ?」って、言われることも多いのですが、ドアの開け閉めが意外と面白いんですよね。自分で考えながら、タイミングを図れるし。まるで、子供です(笑)。
そんな感じで、運転の面白さが先立って、あんまり、お客様のことが気にならなくて済むっていうのもあると思いますね。(えっ、それもどうかと思う、って?)
たまに、キレイな女性の方が笑顔で、私の顔をしっかり見ながら挨拶されていく奇特な方がいらっしゃいます。
私は純情なので、顔を真っ赤にしながらうつむいて、でも、満面の笑みでお礼を申し上げています。後ろ姿も素敵で、「ああ、きっと、いい人生を送られてるんだろうなあ」と思いながら(笑)。
これも、バス運転の楽しみのひとつかな?
まとめ
そう、そう、話がだいぶ、ずれちゃいましたけれど、バスの人間模様も社会も、ずっと、そこに、あり続けます。でも、別に、それとあなたとは関係がありません。
関係のないものは、とりあえず、そこへ置いときましょう。
先ほど、お話した女性の件ではないですけれど、自分がみたいものに焦点を合わせればいいのであります。そうすれば、きっと、なるように、なっていきます。あなたの今の状況がどうあっても。
バスの運転って、本当に、いろんなことを学べるなあと、改めて思った次第です。